バトラーの寄稿、これまでからの問題提起の繰り返しだと思う。
自分が見てる範囲ではクィア系でもある人たちしか取り上げていなくて(広くt/q関連の話題に普段反応しない人たちには全く気配がない)、評価は真っ二つに割れている。
パレスチナ解放運動を支持してイスラエル政府批判をしているユダヤ人で、今回のことで同様のテーマについて文章を書いてる人は他にもいるけど、他と比べると知名度の割に広くは取り上げられていないように見える。たぶん自分が見てる範囲の偏りが反レイシズム&反植民地主義でマルキストよりなせいだろう。
自分的には、この人がイスラエル/パレスチナについて書くことで、クィア系の人ともこの話をできる。
Judith Butler | The Compass of Mourning (LRB, Vol. 45 No. 20 · 19 October 2023)
https://www.lrb.co.uk/the-paper/v45/n20/judith-butler/the-compass-of-mourning
バトラーへの風当たりが強いのは、よく言われているような「誤読」もあるので、それはそれでわかるんだけど、これまでの活動と攻撃や妨害を見てきたかぎり、難癖もつけられてるなという印象。
その人が何を言ってきたか/してきたかを自分がどう解釈しているかをいったん傍に置いて、目の前の文章のニュアンスを汲んで読むというのは、おそらく訓練を積んでいても難しいのだなと。
これに限らずcontroversial なテーマを扱ってきた論者について言及するときは、ソーシャルメディアでどういう印象と波紋を引き起こしていくかを考えると無名匿名アカウントでも慎重になる。